仏検1級二次試験の勉強法 ver2.0【面接対策】

フランス語の新聞とコーヒーが乗った勉強中のテーブルの上 仏検対策
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Coucou ! ほたです。

前回は二次試験当日の様子をレポートし、分析しました。

仏検1級二次試験レポート ver2.0【2回目の戦略】
仏検1級に4年ぶりに再挑戦し、二度目の一発合格。今回の二次試験で実際に出たテーマ、3分間の準備、面接官との質疑応答、発表内容、4年前との比較や46/50点の結果まで詳しくレポートします。

今回は私が行った具体的な面接対策法についてご紹介します。

仏検1級に限らず、準1級にも十分使える対策です。(試験時間が9分→7分に短くなるだけで、流れは同じです。最新の形式は公式サイトでご確認を。)

改めて私の面接の得点はこちら。

50点満点中
前回(2022年)43点
今回(2026年)46点

対策本は、過去2回とも使っていません。スクリプト暗記もなしです。それにしては、対策がうまくいったのではと思います。

 

面接が苦手でも大丈夫

まず先に少し言及したいのが、私自身が、面接が大の苦手なのです。

あがり症で、中学生の時はクラスの98パーセントが参加した面接対策に参加せず、高校生の時は英検2級の面接で緊張しすぎて何も話せなくなり落ちました。大人になっても、とにかく複数人の前で話すのが苦手です。

それに加えて世間知らずで、そんな私が人前で、社会問題について、しかもフランス語で話すのです。ハードモードすぎますよね?(笑)

しかし色々と考え、自分なりに面接を乗り切る方法を見つけました。

なので今面接に自信がない方にも、伝わればいいなという気持ちで書いています。

 

大事なステップ

私の面接対策は、大きく3つに分けられます。

世の中にある問題を知る

最初に書いてしまいますが、これが私の中で対策の9割です。

まず世の中にある問題を、ざっくり知ることです。とにかくいろんなテーマに対して、どんな問題がどうつながっているか知るのです。

時事に通じる必要はないし、しかもこれはすべて日本語でいいのです。だってフランス語でやると、途端に内容を知ることより、読解になってしまいますよね。

フランス語で言えるかどうかよりも先に、このテーマが来たらこの話をしたい、という小ネタが多くある状態がベストです。

私はオーラル試験においては、新聞などで得た知識や小話を披露しようという気持ちがあるので(笑)、どんなテーマに対しても「なんとかなりそう」と少し思えるようになりました。

この言いたいことを、どう蓄えるかは後述します。

 

完璧に言うことは諦める

それにしたって、新聞の内容を自分で組み立ててフランス語で話すなんて、難しいですよね?それならNHKのフランス語版を読んだりして、表現を集めた方が良いと思うかもしれません。

でもこの2つは、私的にはまったく違う回路を使っています。

後者はむしろインプット寄りで、短い時間で面接に耐え得るオーラル上達にはあまり向かないと考えます。

逆にこの新聞から知識を得て考えるコツは、「完璧に言おうとしないこと」です。フランス語のニュースみたいな語彙を使えたらもちろんカッコいいのですが、そういうのは後でいいのです。

 

自分の型を決めてしまう

ド緊張の状態に陥っても、あらかじめ面接で使う型を決めていれば、そこに意見を当てはめていくだけでそれなりに見せることができます。後半で私の使った型をすべて公開します。

あまりたくさんバリエーションを持たせたら余計に緊張するので、決め打ちがおすすめです。

 

具体的な対策

では早速、具体的な対策について見ていきます!私が実際にしたこと、使った素材を紹介します。一次試験後からでもできることに絞ります。

時事ソースを確保

まず時事についてまとめた本(日本語)を1冊入手します。前回から推しているのは朝日新聞社発行のこちらです。

論点やこれからの課題を1テーマにつき1〜2ページで、しかも具体的な例も含めてまとめてあります。ここに、monologueで使う全てが入っていると言っても過言ではありません。面接の前日はこの時事の本を4時間半読みました。

あと、毎日コツコツできることで大いに役立つのが、新聞(紙面とアプリ版)です。

紙面は図書館に行けば無料です。アプリ版だと、必要な部分をスマホでコピペできるので次のステップが多少楽です。

私は朝日新聞のアプリ版有料会員ですが、無料のものも少なからずありますし、これはお好みで良いと思います。

個人的なことを言うと朝日新聞アプリ版で気に入っているのは、様々な分野の専門家が、記事にコメントしているんです。これがかなり仏検で話すネタになります。自分では思いつかない視点、問題の本質、鋭いコメントが見つかります。

私が時事で話していることは、大抵借り物の言葉です(笑)

補足ですが、前回に紹介したNHKの番組「持論公論」はHPが無料でアクセスできなくなってしまったので、今回は使っていません。良い番組なんですが…。

 

情報を整理

さて、このようにして新聞や本で読んだことを、問題や具体例、解決法などを箇条書きか簡潔に、スマホにメモをしてGoogle翻訳にかけます。

なぜこんな高性能生成AIがある時代に、Google翻訳を使っているかと言うと、「程よい」からです。もちろんGoogle翻訳も性能が上がり、昔より文脈を読んだ訳を出してくれますが、生成AIほど完璧すぎず、余計な付け足しをしません。(もちろん不自然さは残るので、鵜呑みにせずよく考えてみる)

これを読んで、自分が咄嗟に言えなさそうな単語や使ってみたい部分「のみ」をメモにもどします。ここで大事なのは、Google翻訳の訳文をそのまま覚えることではありません。

この部分的に補足された日本語だけを見ながら、自分でその内容をフランス語で口頭で言ってみます。参考までに私の雑なメモを公開します。

 

普段は空いた時間にこれを繰り返し、対応できるテーマを広げていきます。

少子化問題ひとつ取っても、

女性の社会進出の難しさ、男女平等(家事や育児の分担の不公平)、保育士の不足問題(子供を預けられない、思うように働けない)、育休産休制度の充実、そもそもの賃金の問題…といろんなことが繋がっていますよね。

ひとつのテーマから言及できることをつなげていくイメージです。

そしてたまに、興味のある記事やコラムなどを読んで、具体例になりそうな小ネタもストックすると良いです。これが具体例(par exemple…)の部分で、発表を長くするのに役立ちます。

 

練習&フィードバック

可能ならオンラインレッスンを取ります。私は筆記試験後から面接までの1カ月、13回取りました。

50分のオンラインレッスンなら面接形式で2テーマくらいはできるので、先生にフィードバックをもらいます。

その中から5つくらい、次に気をつけようとか、使ってみようと思う表現をメモします。

この繰り返しの中で、自分が当日使う型もブラッシュアップしつつ、何度か使って口を慣らしていきます。

私が何年もお世話になっているのは、アンサンブルアンフランセです。

仏検やDELF・DALF対策に対応できるプロフェッショナルな先生方がたくさんいるので、試験前は本当に重宝しています。

特にランダムでテーマを出してもらって、試験と同じように3分で準備して発表の流れは、やる価値があります。ここは生成AIではなく絶対的に生身の人間相手が良く、打ちのめされるのも込みで経験しておくのがおすすめ。

気が重いのは重々承知ですが、数回の我慢です…(笑)

 

ブラッシュアップ

発表で言いたかったけど上手く言えなかったことは、ここで初めて生成AIなりで調べます。次の面接練習で表現を改善したり、新しい表現を使ってみます。

このネタ探しと、実践模擬面接を繰り返して、本当に少しずつ、改善していきます。

この方法でやっていくと、すべてのテーマに対してスクリプトを作らなきゃ…ということからは解放されます。まず大量に作っても覚えられないのもありますが、一語一句覚えたことを出そうとするほど、ほぼほぼ緊張します。

覚えることは最小限に!が良いかと思います。

 

私が使用した発表の型

ご参考までに。2022年に使用したものを改良しています。


① 挨拶~導入
Bonjour. Merci de m’accueillir. Aujourd’hui, je vais vous parler de [テーマ].
Je vais d’abord définir brièvement le terme clé. [テーマのキーワード], il s’agit de…
※On peut alors se demander si [テーマの問題提起].

②展開(賛成または反対意見)
Tout d’abord, certains considèrent que…
En effet, (例) 

Cependant,
(反対派の意見を続ける場合など)- les opposants soulignent que…
(短所を続ける場合など)- cela présente également des inconvénients.
D’abord, (例)

③ 結論~締め
Pour conclure, je pense donc que…

– trouver l’équilibre est important.(前回使った)
– on ne peut pas faire du manichéisme.(前回のストック)
– cela nécessite une réflexion approfondie.(オールマイティ)
– retrouver une souveraineté (sanitaire/ énergétique/ alimentaire numérique / dans l’industrie de A) est important.(上級感が出せると思いますが、テーマにバシッとハマる形容詞を当日出せるかによる)

C’est tout. Je vous remercie de votre attention.

 

※テーマが長所/短所を問う形ではなく Comment?と聞いている場合は、導入の問題提起部分を以下にする準備もしていました。
J’ai quelques pistes de réflexion pour répondre à cette problématique.

これに続けて、自分の意見を列挙するのもアリです。


2022年のものも悪くはないと思いますが、今回は先生のアドバイスを取り入れて、最初と終わりの挨拶、キーワードの定義を加えました。

挨拶は数秒で済むので入れた方が、相手の笑顔を引き出せて自分の緊張が和らぐし、感じも良いのでおすすめ。

キーワード定義は仏検向けというよりDELF・DALF向けですが、フランス式っぽさが出るので、個人的にいいなと思い採用しました。でも定義を上手く言おうと3分の間に悩むようなら、仏検では捨てていいと思います。

そしてこの基本の型を決めておいて、展開部の「例」のところで、時事の本や新聞で拾ったネタを当てはめていく作戦です。une étude a démontré que…という風に、何か研究結果などの話を盛り込むのも良いし、あるいは自分の身近な例もアリです。

これを踏まえて、私の当日の発表書き起こしをもう一度貼ります。ほぼ上記の型で話していますが、※テーマの問題提起の部分は当日飛ばした気がします。

しかも作戦と言いながらあまり具体例は盛り込めなかったのですが(笑)、質疑応答でかなり回収できたのでヨシとしています。


「こんにちは。本日はお時間ありがとうございます。今からAIのテーマについてお話しします。
最初にキーワードについて簡潔に定義しますと、「人工知能」とは、与えた情報から自発的に学習するソフトウェアのことです。今や私たちの日常の至るところで使われる道具になりました。

まず、AIは正しく使えばとても便利だという意見があります。AIを使うことで学生たちは効率的に学ぶことができます。
個人に合わせてカスタマイズも可能です。

一方、反対派の人たちは、脱線した使い方のリスクを指摘します。何より、生徒たちの批判的思考の発達を妨げます。AIがあることで、自ら考えなくなるからです。最近では生徒たちが、作文や課題もAIにさせることが問題になっているという話を聞きました。

まとめると、確かに良くない面はあります。しかし学生たちに正しい使い方を教え、潜む危険を注意喚起していくことが大切なのではと思います。

以上です。ありがとうございます。」


そして結論ですが、簡単に言えば「良い悪いあるけど、よく考えなきゃね」という終わり方が大体のテーマで行けるので、それに合いそうなパターンを2~3個持っていれば心強いです。

面接当日の全体の流れはこちらに。

仏検1級二次試験レポート ver2.0【2回目の戦略】
仏検1級に4年ぶりに再挑戦し、二度目の一発合格。今回の二次試験で実際に出たテーマ、3分間の準備、面接官との質疑応答、発表内容、4年前との比較や46/50点の結果まで詳しくレポートします。

ちょうど質疑応答で聞かれた「データセンター(DC)が増設され続けていることについての意見」は、まさしく私が新聞で、DCの乱立で地元の人が困っているというコラムを読み、電力不足やAIのテーマになったら話そうとストックしていた中から、回答しています。

 

もうひとつの落とし穴

実はもうひとつ、私が苦手なことがあります。

それがテーマの問いに呼応する発表をすることです。

どういうことかと言うと、

「〇〇は良いと思うか?」→「良い/悪いと思う」
「〇〇はどう思うか?」→「○○だと思う」

当たり前だと思うかもしれませんが、当日は緊張しています。計画なく焦って話しているうちに、質問に結局答えていない、となることはよくあるのです(私が証明しています)

この対策として、テーマの最後の一文をよく読み、先に結論から作ってしまうことがおすすめです。こうしておけば途中に脱線しても、着地で回収できます。

これについては4年前の記事の「エクスポゼの型と過去の試験テーマ」の項目で、具体例を出してかなり詳しくまとめているので、良ければ参照してください。

仏検1級二次試験レポート【面接対策・過去問分析】
仏検1級二次試験の実際の受験レポート、面接対策、過去問分析、使えるフレーズや注意点を詳しく紹介。短期間で合格するために実際にやった対策もまとめています。

 

(補足)なぜ日本語で読むのか

※完全に持論のため、これがベストではありません。

面接対策の基本は、概念のインプットだと思います。日本語で中身を知らないことは、フランス語でも絶対に話せません。

新しい知識をフランス語でゼロから覚えることではなく、「母国語で解像度高く仕入れた考察を、どう外国語(フランス語)に流し込むか」という変換作業です。言い換えれば、理解した内容を自分の中で「整理する力」と、それを「自分の言葉で話す力」。

私はこの考えを取り入れて対策をするようになってから、面接のハードルがかなり下がりました。

今面接が不安なのは「フランス語で言えるかどうか」ではなくて、「テーマについて言うことがあるかどうか」かもしれません。

あらゆるテーマで賛成/反対、長所/短所を一気にざっと見たい方はこちらもどうぞ。どんな風にテーマの両面を見るかという、直前のアイデアインプットの役には立つかと思います。情報は古いところがあるので、ご注意下さい。

【仏検準1級、1級二次面接対策】テーマ予想とアイデア27例
口頭試験でそもそも意見を出すのが苦手という方に向けて、仏検の二次面接試験テーマを想定した問題とアイデアの要点をまとめました。あらゆるテーマで簡潔に長所・短所・意見を出すヒントになります。

 

要点まとめ

・AIに頼りすぎない(特に生成AI)
・対策本はしなくてもいい(流れの確認はする)
・スクリプトは作らない
・時事の本や新聞を読む
・実践練習の中で改善する

遠回りに見えますが、自分の持てる力を活かす訓練に近いです。生成AIとの壁打ち会話や、作らせたスクリプトを大量暗記するのより、当日の緊張はかなりマシになると、個人的には思います。(私も生成AIには普段すごくお世話になってますけどね!)

 

おまけ・効果があったこと

この数年、新聞を読むようになったことです。とは言え忙しい時なんてほとんど、アプリで「今日の3本」という見出しと概要を5分くらいチェックしかしていません。

しかしなぜか、仕事でキツイ時ほど帰りに図書館に寄って紙面を読んでいます。仏検時期には週3ほど通い、紙面は40分くらい読んでいました。(活字を6分読むだけでストレス度が下がるとか)

人生の大半で読んでこなかった身なので、今さら「新聞を読むべき」とは言えないですが、語学の上級試験には本当に良いと思います。

 

 


お疲れ様でした。壮大になりましたが、私の面接対策のすべてを詰め込みました。

数回にわたりお届けしてきた、仏検対策編はこれでお終いです。

同志の皆さんを応援しています!

À bientôt !

 

 

 

 

 

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