映画「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」観てきました【感想】

映画・ドラマ

Coucou ! ほたです。

ずっと楽しみにしていたプチ・二コラのアニメーション映画早速観てきました。今日は映画の注目ポイントと感想をまとめます。

フランス語タイトルは「Le Petit Nicolas – Qu’est-ce qu’on attend pour être heureux」直訳すると「幸せになる為に何を期待するか」。

言い換えると幸せの為に何かを期待するのではなく、今の状況・瞬間を楽しむことで幸せを見つけられるというメッセージらしいです。

概要

フランスで50年以上愛され続けている児童書「プチ・ニコラ」。

その原作者のルネ・ゴシニ(René Goscinny)とジャン=ジャック・サンペ(Jean-Jacques Sempé)の人生と、プチ・ニコラ誕生秘話を描いた長編アニメです。

監督はアマンディーヌ・フルドンとバンジャマン・マスブル。

予告映像

allocinéにもたくさん映画のカットがあります(フランス語)
https://www.allocine.fr

原作:ルネ・ゴシニ、ジャン=ジャック・サンペ
監督:アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル
脚本・セリフ・脚色:アンヌ・ゴシニ、ミシェル・フェスレー、バンジャマン・マスブル
音楽:ルドヴィック・ブールス(『アーティスト』)
出演者:アラン・シャバ、ローラン・ラフィット、シモン・ファリ他
製作国:フランス
製作年:2022年
上映時間:86分
原作:「プチ・ニコラ」(世界文化社刊)
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
公式サイト:petit-nicolas.jp

引用:ニッポンドットコム

前売券特典・フライヤー

絶対欲しかった特典のクリアポスターをゲット。B5サイズで両面にイラストが入っています。


素敵すぎる…!!

映画館でもらったフライヤー


こっちも可愛い…!!

 

注目ポイント

一番のポイントはやはり、原作者ゴシニの娘で小説家のアンヌ・ゴシニが脚本を担当、原作イラストレーターのサンペがグラフィッククリエイターとして参加していることです!

プチ・ニコラはかつて実写映画化や3Dのアニメ化はしていますが、今回は原作の世界観そのままでの初アニメ化。

本当に原作ファンは感極まること間違いなしの再現率でした。多分予告編よりも実際に見た方が原作に近いと思えると思います。

 

監督インタビュー

観に行く前に予習として監督2人のインタビュー記事を読みました。

ニッポンドットコム

あのサンペ独特のタッチの再現の話とか、とても興味深いです。

また私がプチ二コラに対して「何がどうとか上手く言葉に出来ないけどとにかく好き!」と思う理由が一粒残らず言語化されていたのでそのまま引用します。

バンジャマン:『プチ・ニコラ』は子どもが読める文章でありながら、大人が読んでもひねりが利いていて、子ども時代を懐かしく思い出させてくれます。

アマンディーヌ:作者2人の繊細なユーモアのセンスが秀逸です。例えば、子どもたちは世の中のことを何でも文字通りに受け取ります。大人たちが使う“言葉のあや”が分からずにまともに反応する、そのずれが面白いんです。

引用:ニッポンドットコム

そうそう、そこなのですよ…!

もしかして本当に子供が書いたんじゃないかってくらい純粋な目線のユーモアなんです。子供の頃の気持ちをこんなに思い出させてくれるものってなかなかありません。

 

映画の感想(ネタバレ注意)

関西公開日翌日に来ましたが、結構人はまばら。やっぱりフランス好きな人じゃないとあんまりプチニコラ知らないのかな…?

そして年齢層はかなり高かったです。おひとり様のおじさまが多い印象。

映画の構成はニコラの世界と原作者2人の現実の世界が交互に行き交う形。絵から飛び出したニコラが友達のように2人と語り合いながらそれぞれの人生が明かされます。

あんなに楽しい作品を生み出した2人の現実は厳しく、決してプチニコラの世界のような子供時代を過ごしたわけではないんですね。私は2人がどんな人生を送ったか知らなかったので、今日から良い意味で見る目が変わりそうです。

二コラのストーリーパートでは、自分が好きなストーリーからいくつかそのまま再現されていたのが嬉しかったです。お隣に住む女の子とか、林間学校の話とか!アニメーションで見れる日が来るなんて。

2人がプチニコラを生み出し、子供時代を回想し、ゴシニが亡くなるところまでがこの映画なのですが最後はかなり切なかった…2人が出会ったことって奇跡のよう。

ニコラが On sera toujours tous les trois ! 「僕たち3人永遠に一緒だよ」って言ったところでもう泣きました…

サンペもこの映画完成後の2022年8月に亡くなってしまいましたが、本当にニコラと共に2人はずっと輝き生き続けると思います。

インタビューで監督が言っているようにユーモアと感動、人生のストーリーでした。

 

作画については挿絵でしか知らなかった世界が、立体ではないんだけど本当に空間を感じさせるのがすごかった。あくまでサンペの平面の絵なのに!

あのニコラの家の間取りとか、教室とか、例の空き地とか!全体で見渡すとこんな感じだったんだ〜!と地味に感動しっぱなしでした。街並みも本当に美しい。色合いも優しい水彩画のような感じで、始終目が幸せ。

言ってもアニメーションになったらちょっと違う感じだろうなぁって思っていたけど、インタビューにあったように「サンペの絵と本に書かれた話を忠実に再現、何が何でもプチ・ニコラの世界を守る」が確かにしっかりと実現されていました。

音楽もすごく良かったです。上質なショーを観にきたような気分にさせてくれました。世界観とすごく合ってる。公式に「ご機嫌な音楽」とあるけどまさしく、です。

あと、地味に声!ニコラの声、前にあったFrance Cultureのポッドキャスト版(今は消えている)とすっごく似てた気がするけど違う子かな!?誰か知ってたら教えてください。

私はとにかく子供のフランス語が好きなのでいつも france info junior 聞いてるんですが、やっぱりニコラもお友達も可愛い〜!いくらでもリスニング勉強出来る気がします。

 

語学的な話をすると、プチニコラって実際本で読んでても決して初心者向けじゃない(子供のシンプルな語彙だけどあくまでネイティヴ向け)ですよね。

音声だと更に友達とワー!って白熱して騒ぐシーンになったらもう何言ってるか分かりませんでした(笑) 私はmémé(おばあちゃん)が好きです。お年寄りだから若干ゆっくりで、孫をダメにする程甘やかしまくりで、可愛い。

 

でも本当にあえて言うなら、全体的に短かった!!あれ、もう終わりなの!?と思っちゃいました。上映時間1時間26分。アニメーションですもんね…

ルネとサンペの暗い過去を明かしていく感じの予告だったのでもっと嵐の山あり谷ありかと思いきや若干、ざっくりというかダイジェストでした。

そのあたりをもっと掘り下げて欲しかった、ニコラの話もあと3話分くらい入れてくれても良かった!あと一番好きなキャラのアルセストの活躍が少なかった!

… …とまぁ、結局すごく良かったからもっともっと観たかった〜!という満足ゆえのわがままなのですが。やっぱりもう少し長くても良かったと思うな。せめて2時間。

ちなみに最後のエンディングで知ったんですが、プチニコラのお話って222話もあるんですね。結構読んだ気がしてたけど全然でした。


私のコレクション。左上の辞典並みに分厚いのはまだ読めてません

原文の方はこれが一番好き。フランス語です。

可愛い日本語版も色々出ています。

まとめるとプチ二コラファンは絶対に観てほしいし、原作を知らなくてもこれを観たら二コラが可愛くて愛しくて大好きになる。

何度か客席からも笑いが起こったり、原作同様に世代を超えて楽しめる映画でした。ありがとうプチ二コラ。

 

 


皆さんもぜひ劇場でこの幸せな気分を味わって下さい。

A bientôt !

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