「ネイティブみたいに話したい」と思ったら

思うこと

Coucou ! ほたです。

「ネイティブみたいに話す」は、語学をする人にとって憧れですよね。

これは私が何年もうっすらと考えてきたテーマなのですが、最近ある出来事があってそれからずっと考え込んでいるのです。

これから書くことはネイティブのように話すためのTO DOではなく、「ネイティブみたい」を考える話なのでご注意ください。

 

「ネイティブみたい」って、何なのよ?

先日フランス人と話す機会がありました。フランス語話してみてと言うので軽く自己紹介したところ、かなり自然なフランス語だけど、もっとネイティブらしくするなら J’aime じゃなく Je kiffe を使えと言われました(ちなみに初対面で、言語交流でもありません)

補足しますと、aimer は皆さんお馴染みの「好き」を表す動詞。中立的で、ネイティブ含め誰でも安心して使えて、会話ではカジュアルすぎず、ちょっとだけフォーマル寄りのニュアンス。
kiffer は aimer のスラングで、友達や親しい人に使う、軽さや勢い、若さ、ラフさを強く感じさせるカジュアルなニュアンス。

その人の言いたいことは、分かります。

確かに私はフランス語を人生をかけても流暢に話せるようになりたい。でも、フランス人に同化したいとは言ってない。

だからその人にも、なるほど確かにその方がよりネイティブライクだろうけど、私は外国人だから標準的な aimer で構わないんだよ、と言ったんです。
これに全く納得は得られず「いやいやいやいや、、、」と反対を受け、仕方ないので「じゃあ〜使いますっ」で一旦話を終えました。

…しかし、いまだに腑に落ちていないのです。

 

なぜ腑に落ちないのか

考えました。

私はフランス語も英語も、ずっと「トーン」というものをかなり大切にしています。

トーンと言うのはつまり口調や使う語彙群のことです。

ティーンエイジャーならスラングを多用しカジュアルで砕けた口調、30代ならやや落ち着いた口調、70代なら少し古めかしい言い方も含まれるかもしれません。
年齢だけでなく職業や話す相手によってもトーンは変わります。弁護士がビジネスの場で話すなら硬めの口調、地元のパン屋さんがお客さんと会話するなら、より暖かみや親しみを感じられる口調など。

言葉は意味だけではなくて、使う人のキャラクターや立場が反映されますよね?

私の考える「流暢に話したい」は「自分の年代や性格、そして外国人という立場にも合ったトーンでスムーズなコミュニケーションをしたい」なのです。

トーンそのものが自己表現の一部で大切にしているのに、その熱意を踏みあらされた気がしたから、やや気に障ったのではないかと推測します。

ネイティブだけでも色んな人がいて色んな口調があるのに、なぜ私は kiffer を選ばなければいけないのでしょうか。

 

そもそもトーンとは

そもそも。トーンは「どんな風に人から見られたいか」という選択だと思うのです。

外国語を勉強する最初のうちは、教科書、映画、ドラマ、小説、ニュース記事などあらゆる媒体から得た表現をどんどん取り込んでいきます。でもそれらを整理せず一緒くたに使ったら、かなりチグハグになります。

極端に言えばドラマの若者が使う砕けた口調で話しながら、使う語彙群がニュース記事に使われる書き言葉だったらなんかおかしいですよね。

「文法的には間違えてないけどこう言った方が自然だよ」というのはフランス語のレッスンを受けていてもしょっちゅう言われるし、それは本当に有り難いものだと思っています。
でも kiffer の強要はそれに収まらない(もちろんそのフランス人も親切心で言ったのでしょうが)

私はいつも自分の引き出しに入れる表現は「親しみがありつつ品を残す30代女性のトーンに合うもの」とはっきり決めています。自分のトーンに合わないものは知識として覚えるに留め、分けて考えているんです。

ただ誤解しないでほしいのは、kiffer が悪いとか汚いということではありません。30代フランス人でも使いますし、普段からフランクな話し方をしていたり、スラング混じりでネイティブの輪に入って同じように話したい!って人なら、むしろそういう表現をどんどん取り入れて使いこなせればカッコいいと思います。

要は性格と目指すトーンに合うかだけの話なのです。

 

外国語と自分らしさの両立

ここまで読んでくれた方、この人だいぶややこしくて心狭いわあ…と思われたのではないでしょうか。心配です(笑)

でも同時に、初級の頃は教えられたことを全部丸呑みするしかなかったのに、こんなに熱く言葉を選べるようになったのはある意味愛が増している結果かもしれません。

「ネイティブらしく」も話したいんだけど、外国語でも自分らしさを忘れないことは、何より大切だと思います。

ただし、色んな価値観の人とコミュニケーション出来ることが言語を学ぶ良さでもあるので、私もあまり気を悪くせず、柔軟さも大切にしたいということで締めくくります。

フランス語学習者の皆さんならどう感じるのか知りたいところです。私のXのフォロワーさんたち優しく大らかな方が多いので、こんなことで気を悪くするのは自分だけかもしれません。

長くなりました。最近オタク感が増してきましたね。

A bientôt !

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